文学賞に投稿しました。
「大宅惣一賞」です。昨年の年末、締め切りギリギリで文春新社に発送しました。タイトルは「サムライ科学者」です。私は物理出身ですが、さらに医学を含め明治から現代までの科学者群像を描いてみました。章建ては、
第1章 日本に科学者誕生
第2章 白虎隊の物理学者
第3章 実験と理論両刀使いの物理学者
第4章 戦争も国境も越えた科学者たち
第5章 サイエンスエリート
第6章 2人でウニの卵見つめ
第7章 京都青い季節
第8章 敗戦国のエース
第9章 理論物理のホームラン王
第10章 筋肉を解き明かしたサムライたち
第11章 オワンクラゲはなぜ光る
第12章 天才だってつらい
第13章 日本人4人がノーベル賞を同時受賞
難しかったのは、よく知られている科学者を入れるかどうかでした。
3年前に書き始めた時は、以上の13章以外に「日露戦争の陰で闘った科学者たち」と「野口英世」の2章がありました。この内、「日露戦争−‐‐」の方は今復活させようかと思ってます。当時ロシア側には、コロトコフという医者が軍医として従軍していました。彼は現在も使われている血圧測定法を編み出した人です。「コロトコフ音」を医学生は必ず習います。さらに、日露戦争はビタミン戦争でもありました。これなら何とか新しいストーリーを書けそうです。最近はNHKが日露戦争を大々的に扱っていて、読者の興味を引くと期待しています。
なお、「野口英世」はやはり日本の科学史には欠かせない偉大な存在ですが、新しい材料や視点がもう少し発掘できれば良かったのですが。今回は割愛せざるを得ませんでした。
ところで、大宅惣一賞とは
芥川賞、直木賞は余りに有名ですが、それ以外に文春新社からは分野ごとに3つの文学賞が出されています。菊池賞と松本賞とこの大宅賞です。大宅賞はノンフィクション部門のために設定されています。
この賞は1970年からはじまり、今まで石牟礼道子(受賞辞退)、イザヤベンダサン、沢木耕太郎、山崎朋子、桐嶋洋子、久田恵、家田荘子、桜井よし子、佐野真一、柳田邦男、深田祐介、吉永みち子、猪瀬直樹、梯久美子等々、御馴染みの名前が受賞者として並びます。昨年度は次の2作品が受賞しています。
上原善広 「日本の路地を旅する」(文春)
川口有美子「逝かない身体−ALS的日常生活を生きる」(医学書院)
私の「サムライ科学者」はこれから出版ですし、私自身全くの素人です。これだけ名誉ある賞に投稿するとは暴挙ですが、これをきっかけに「サムライ科学者」を世に出そうと思っています。
ここで、私の自己紹介をさせてください。
まず、履歴書ですが、
1943年 島根県松江市(母の疎開地)に生まれる。
(1年後、父の任地東京都日野市に移る)
1966年 早稲田大学理工学部応用物理学科卒業
(理論物理学を専攻しました)
1968年 東京工業大学大学院原子核工学課程卒業
(原子炉と放射線安全が専門でした)
同年 横浜市立大学医学部生理学講座助手
(循環器の自動制御からスタートしました)
1973年 コロンビア大学医学部研究員
(学習記憶の研究所でした)
1981年 岩手医大医学部生理学講座助教授
(アメフラシの神経生理学的研究)
1994年 ロンドン大学医学部研究員
(培養神経の技術を習得)
2000年 株式会社東京インスツルメンツ開発部長
(遺伝子解析装置、顕微授精装置の輸入販売)
2008年 帝京平成大学地域医療学部教授
(リハビリ関係の教育、現在にいたる)
今までに出版した本は、
@ 神経軸策輸送の医学 1986年 海鳴社
A 神経と化学伝達 1988年 東大出版会
B イカの神経ヒトの脳みそ 2009年 新潮新書
C 先端脳科学者による一か月かんたん英会話脳トレ 2010年 アスキー